東日本大震災後の不動産市場動向アンケート調査結果
(第18回)公表
この度「東日本大震災後の不動産市場動向に関するアンケート」第18回調査の結果を発表
致しました。
今回調査(第18回)と前回調査(第17回:平成30年10月1日時点)を比較すると、実感の項
(前回調査時点と比べて)では前回同様に各用途とも「ほぼ同じ」の割合が最多、次いで「下落
した」となりましたが、用途や地区別に見ると異なる傾向が見て取れます。住宅地を見ると、
浜通りでは実感の項で「下落」が増え、今後(今後6カ月~1年間)についても悲観的な観測が
強くなっています。一方、県北地区や会津地区では、実感の項に前回見られなかった「上昇
した」が現れており、地区によって異なる傾向が窺える結果となりました。
今後の動向予測については、各用途・各地区とも実感に比べて「下落する」が拡大し、その
分「ほぼ同じ」が縮小しており、この傾向は前回調査と同様で、先行きに対する不安が継続し
ている現れと思われます。東日本大震災から8年が経過し、被災者需要が落ち着く一方で、地元
需要を中心とする市場に戻りつつあり、今後の地価動向については、下落基調が継続する見通
しとなっています。
【土地(住宅地)】
実感の項で、全体として「大きく下落」「下落」の合計で3.6ポイント増加、
「ほぼ同じ」が7.3ポイント減少、「上昇した」が6.7%から10.3%に拡大しています。
地区別では、浜通りで「大きく下落」「下落」の合計で9.1ポイント増加し、特に、
相双地区では「下落した」が28.6%から40.0%に拡大し、市況が悪化しています。
一方、中通りでは「上昇した」が9.7%から15.4%に増え、そのうち県北地区の22.6%
が目立ちます。会津地区でも「上昇した」が9.1%増えています。
今後の予測では、実感に対して、全体では「大きく下落」「下落」が16.4ポイント
多く、「ほぼ同じ」が12ポイント少なくなっています。前回同様、悲観的な見通しが
続いています。
【土地(商業地)】
実感の項で、全体として「下落」「ほぼ同じ」の合計で3.6ポイント増加、「上昇
した」は17.4%から9.4%に減少、商業地の地価は後退局面に入りつつある状況が窺
えます。
地域別では、相双地区で「下落した」が41.7ポイント増え、特に目立ちます。会津
地区でも「下落した」が20.0%から31.3%に増加しました。一方、いわき地区で「大
きく下落」「下落」が13.8ポイント改善しています。中通りでは「下落」が1.8ポイン
ト改善、「ほぼ同じ」が13.4ポイント増加したものの、「上昇した」は9.2ポイント減
少しました。
今後の予測は、実感に対して、全体では「大きく下落」「下落」が17.6ポイント多
く、「ほぼ同じ」が16.6ポイント少なくなっています。全体的に悲観的見通しがより
強くなっています。
【土地(工業地)】
実感の項では、全体として「大きく下落」「下落」の合計で3.4ポイント増加、
「ほぼ同じ」は同程度で、「上昇」も4.0ポイント減少し、緩やかな下落傾向が続いて
います。
今後の予測でも、実感に対して、全体では「大きく下落」「下落」が13.3ポイント
多く、「ほぼ同じ」は16.5ポイント少なくなっています。一方、「上昇した」も3.2ポ
イント多くなっており、県中・県北地区でやや強気の見通しとなっています。
【特徴的な傾向】
動向指数(DI)による分析では、実感については前回同様、各用途とも全体で「下
落した」「ほぼ同じ」が8~9割を占める状況が続いています。全体的には下落基調を
強めつつあるといえます。一方で、住宅地や商業地について県北・県中・中通り・会津
地区で「下落した」と「上昇した」と相反する動きが見られ、用途別・地区別で異なる
特徴が鮮明となっています。今後の予測では、実感に対して、「下落する」「ほぼ同じ」
の見通しが多く、先行き不透明な状況にあります。
<トピック調査>
「殆ど影響はない」が回答者の75.5%、「少し影響があった」が22.7%となって
おり、各種施策効果もあって駆け込み需要の影響はあまり感じられないとの回答が
大部分を占めています。
「殆ど影響はない」が回答者の63.8%、「少し影響があった」が27.6%でした。
アパート建設や投資物件については融資審査が厳しくなっているとの回答も数多く見ら
れました。
第18回:詳細はコチラを御覧ください >>(PDF:619KB)
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