東日本大震災後の不動産市場動向アンケート調査結果
(第4回)公表
東日本大震災及び東京電力福島第1原発の事故後における不動産市場変動を捉えるべく実施した「東日本大震災後の福島県不動産市場動向に関するアンケート」の第4回調査(平成24年5月1日時点)結果を公表いたします。
不動産売買・賃貸借、浜通り・中通り・会津地方等の傾向の変化が如実に現れた結果となりました。(詳細はPDFを御覧ください。)
一例を挙げますと、
- 前回(平成24年1月1日時点)調査時点と比較した「買い」の問い合わせの問に対し、全てのエリアで「増えた」の割合が大きく増加しています。全体では「増加52%(前回30%)と初めて過半数を超えたほか、会津地方では「33%(前回9%)」、中通りでは「49%(同26%)」、浜通りでは「71%(同57%)」となりました。
また、今後の買いの問い合わせの予測においても、全エリアで強気な意見が見られ、特に浜通りでは「増加する79%(同57%)」と8割近くまで上っています。(P.4)
- 前回と比較した「売り希望価格」の問に対しては、会津地方及び中通りでは「ほぼ同じ」の回答が増えたのに対し、浜通りでは「上昇した52%(同27%)」と、売り主側からも強気の姿勢が窺えます。(P.5)
- 前回と比較した「買い希望価格」の問に対しては、浜通りでは「上昇した46%(同23%)」、と前回から倍増しているのに対し、会津地方では「下落した60%(同57%)」と、前回同様悲観的な傾向が続き、エリア別の傾向がより鮮明になりました。(P.6)
- 前回と比較した「成約件数」の問に対しては、浜通りでは「増えた50%(同43%)」と、こちらも初めて50%に到達したほか、今後(半年~1年程度)の「成約件数」の予測も、浜通り「増加する61%(同43%)」と、強気の傾向が一層強まりました。会津地方・中通りの「ほぼ同じ」傾向は変わりませんが、会津地方の「成約件数」も「増えた33%(同4%)」と増加しており、取引件数停滞の底から脱しつつあるとも見てとれます。(P.7)
- 不動産種類別の動向指数(DI)による分析では、今後の見通しについて、全エリアで右肩上がりの傾向が見られ、下落傾向であっても、その下落幅が縮小傾向であると市場は見ているようです。特筆なのは、浜通りの土地価格(住宅地)、中古戸建、中古マンションの住居系用途では指数が大きくプラスに転じ、上昇傾向に転じたと見る向きが多いようです。(P.11~)
- 震災後の不動産取引で特徴的なこととして、「郡山に避難していた浜通りの人達が浜通り方面へ戻っている(県中)」「中古住宅が価格上昇。住宅用地不足。(いわき)」「双葉地区からの需要が多く、手頃な中古(1,500万位)が少なく、新築の動きが活発。(いわき)」等、実際にいわきを中心に市場に動きが出てきており、DIの結果を裏付けるコメントが多く聞かれました。(P.27)
当協会は、不動産の適正な価格形成に資し、もって県民生活の安定向上と県土の均衡ある発展に寄与すること等を目的とする県内唯一の不動産鑑定評価に関する公益法人です。
全4回実施したアンケート結果により、東日本大震災後の一年間の福島県不動産市場動向がおぼろげながらも見えてきました。今後はアンケートを簡略しながらも、スピーディーに市場動向を適宜調査の上、開示していきたいと考えております。
最後にご協力頂きました(社)福島県宅地建物取引業協会様、(社)全日本不動産協会福島県本部様、ご回答頂きました県内の不動産業者の皆様に心から御礼申し上げます。
なお、ご回答頂きました不動産業者様のうち、メールアドレスを記載頂いた方には、同アンケート結果PDFをメールにお送りしています。また、詳細版の結果PDFも完成次第お送りさせて頂く予定です。こちらは今しばらくお待ちくださいますようお願いいたします。
第4回:詳細はコチラを御覧ください >>(PDF:2,384KB)
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