東日本大震災後の不動産市場動向アンケート調査結果
(第10回)公表
< 第10回調査(平成27年4月1日時点) >
日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故後における不動産市場変動を捉えるべく実施した「東日本大震災後の不動産市場動向に関するアンケート」の第10回分の調査結果を発表致しました。
今回の調査では、前回調査(第9回、平成26年10月1日時点)と比較すると、全体として震災・原発事故からの復興等を背景とした県内不動産に対する需要拡大の程度がやや落ち着いてきているという結果となりました。前回調査と比較した主な傾向は以下の通りです。
【土地(住宅地)】
全体としては「上昇した」「大きく上昇した」の合計の回答が前回の40.7%から43.4%と増加しました。これまで、需要の拡大として特徴的であったいわき市で「上昇した」「大きく上昇した」の合計の回答は62.5%から今回は55.5%と減少しました。
今後6カ月間~1年間の見通しにおいては全体として「上昇する」の回答が減少(32.6%→24.7%)し、「下落する」「大きく下落する」の回答が増加(12.9%→19.5%)しています。
【土地(商業地)】
全体としては前回と類似する回答内容でしたが、今回は相双地区においては「上昇した」の回答はありませんでした。
今後6カ月間~1年間の見通しにおいては全体として「上昇する」の回答が減少(26.2%→18.9%)し、「下落する」「大きく下落する」の回答が増加(17.5%→24.6%)しています。
【土地(工業地)】
全体としては上昇・下落共に増加し、「ほぼ同じ」は減少しています。いわき市の「上昇した」が増加(26.7%→38.9%)した半面、中通り、県南、県中、県北において前回は回答が無かった「下落した」「大きく下落した」の回答が多くありました。
今後6カ月間~1年間の見通しにおいては全体として「上昇する」の回答がやや減少(15.1%→13.5%)し、「下落する」「大きく下落する」の回答が増加(18.3%→25.0%)しています。
【特徴的な傾向】
動向指数(DI)による分析の今後半年から1年間の将来予測をみると、全体としてすべての用途でやや悲観的で慎重な姿勢となっていることが見てとれます。これを以って今後の土地価格の下落を予測することはできませんが、これまでにない特徴と言えます。
<トピック調査>
「土砂災害警戒区域」等の区域内の土地価格について前回同様に、回答内容は土砂災害警戒区域については20%~30%程度低いとの回答が、土砂災害特別警戒区域に関しては50%以上低いとの回答が最も多くなりました。
当協会は、不動産の適正な価格形成に資し、もって県民生活の安定向上と県土の均衡ある発展に寄与すること等を目的とする不動産鑑定評価に関する公益法人として、不動産市場が安定化するまでの間、これらの動向を適宜調査し、開示していきたいと考えております。
最後にご協力頂きました(公社)福島県宅地建物取引業協会様、(公社)全日本不動産協会福島県本部様、ご回答頂きました県内の不動産業者の皆様に心から御礼申し上げます。
第10回:詳細はコチラを御覧ください >>(PDF:450KB)
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